大阪対象関係論研究会 主催2021年度
上本町対象関係論アドバンスセミナー
日時 | 2021年5月~2022年3月 毎月第3火曜日 19:30~21:00 |
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場所 | たちメンタルクリニックもしくはZoom |
参加費 | 年間10回 30,000円 講義のみの単回参加 5,000円/回 |
申込方法 | 参加ご希望の方は,2021年4月30日までに,下記のアドレスに,①氏名,②年齢,③ご所属先,④経験年数,⑤連絡先を記載して,お申し込みください。 |
お問い合わせ連絡先 | 大阪対象関係論研究会事務局: objectrelations.osaka@gmail.com (担当:川野 由子) |
本セミナーでは,英国対象関係論の独立学派を代表するウィニコットをはじめとして,精神分析における独立学派の視点を学んでいます。独立学派の視点はとてもユニークで,人が人として生きる根源の心の動きについて,フロイトやクラインの視点から学びを得ながらも,独自の視点を展開させて今なお心の臨床現場で色あせることなく活用されています。
特に英国の独立学派を代表するウィニコットは,フロイトから始まった精神分析に影響を受けながら,小児科医という臨床経験から数々の新しい視点を心の理解に反映させてきました。特に最早期の母子関係にみられる二者の関係性を独自の対象関係論的視点で精神分析の中に取り入れ,面接空間の中での治療者と患者関係のみならず,環境としての対象の機能面と内的な世界にも着目したことは有名です。そしてなにより実践的です。
これまでは,ウィニコットの主要論文をとおして彼の臨床的視点を学び,さらに,ウィニコットの理論を私たちの日常臨床に置いたときの臨床的な一致点を再確認してきました。また対象関係論の萌芽期を創造したフィレンツイの臨床日記をとおして,精神分析について検討し,フランスのアンドレ・グリーンの論文集から現代の対象関係論の視点を学んできました。
今年度は,マイケル・パーソンズ(Michael Parsons)の著書‟ Living Psychoanalysis: From theory to experience”を素材に,現代の対象関係論的視点を引き続き学びたいと考えています。ご存知の通り,マイケル・パーソンズは,英国独立学派のフェローであり,フランス精神分析協会の訓練分析家でもあります。彼は精神分析において,解釈それ自体が変容をきたすものではなく,治療者と患者とが織りなす分析空間での交流から,患者の中で思考と感情とか繋がって一つの体験として何かが動いたときに変容が起こると考えています。それこそが,生きた分析であり,それを体験できるプロセスが精神分析であると捉えています。
その文献からの学びに加えて、館先生から、フロイトとフランス精神分析の視点を中心に「死の本能」をめぐって、夢の理解、映画を素材に審美性などについてお話しいただくご講義も予定しています。 ご興味・ご関心に触れましたら是非参加いただきますようご案内申し上げます。ともに学べますことを楽しみにして,皆様のご参加をお待ちしております。
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